解体工房  電気関連

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 隈取 (くまとり )モーター


 これは観賞魚の水槽に使う水循環ポンプです。かなり古いものですが,それほど痛んでいません。今回はモーターを取り出し,交流の実験器具に改造する計画です。
 分解は数本のビスを外すだけで簡単です。







  このポンプのように水を使う場所では感電の危険性が増すため,おもちゃのモーターのようなブラシと整流子があるタイプのモータは使えません。また,いかに低コストで作るかという点でもこのモーターはとても優れています。

 ではどのようなモーターかというと,誘導モーターと呼ばれるモーターの中で一番単純なものの1つです。





 一目で普通のモーターと様子が違うのがわかりますね。鉄心にコイルが巻かれており,そのすぐ横に回転子があります。磁石もなければ回転子にコイルもありません。

 回転軸の上の方についている黒いものは冷却用のファンです。




 回転子の様子が見えませんが,ネジ2本で簡単に取り外せます。それだけ単純な構造だということです。




 回転方向は写真の向きです。このモーターは回転方向を変えることができません。




 バラバラにしたところです。
 





 くまとりコイルと呼ばれる太い銅線が見えます。これで回転磁界を作り出しています。








       2019.09.03

バンデグラーフ

 

 120105Van-de-1.jpg

 

 


 過去の勤務校までは必ず一台はきちんとしたものが有ったのですが,現任校(2017.3まで )では「使えない機械が2台」もありました。困ったことに,2台ともベルトが硬化してしまっていて回すこともできませんでした。さらに悪いことにどちらもメーカーは今は無き「東京前川科学」のもので,修理部品も買えません。


 ベルトの自作も考えていたのですが,「ケニス」のものが使えそうなので昨年末に購入してみました。一台はスピード可変用の可変抵抗器が無くなっており,もう一台はベルト駆動のプーリーとモーターとの連結部品がなくなってしまっていてと,かなり厄介そうでした。右の機械のほうが少しは良さそうでしたが,ベルトが短く断念。左の機械は可変装置が無いということで,いわゆる「二個一」としました。

 

※ ベルトについては大阪の豊?先生から,自作できると教わりました。

   

   筋トレ用のゴムチューブが良いそうです。また,何か忘れましたが,あるものを塗布することで強化できるそうです。(どなたか情報をください)

 

120105Van-de-2.jpg

 

 

  上部の回転子は2台ともしっかりしており,特に問題は無いのですが,下部の回転子との平行性を調整する機構が有りません。あちこちの固定ねじを緩めて微調整を繰り返します。これをしっかりしておかないと回転速度を上げたときにベルトが一方に偏り,最悪外れてしまうということもありえます。

 

120105Van-de-3.jpg

 


 下部のボックス内部の様子です。さすがに古いものですから,AC100Vを可変抵抗器を介してトランスに入力し,12V(Max)をなんと懐かしい セレン整流機で直流にして,直流モーターを回転させています。可変抵抗器のつまみを最小にしてもモーター電圧は0にならず,すこし「ブーー」という音を出しています。

暇ができたら,きちんとした可変電源装置に組みなおしてやるつもりです。

https://marujii.stars.ne.jp/physics/physics-3.html

 

120105Van-de-4.jpg

 


  写真中央の緑色の部分が巻き線可変抵抗器で,最近入手も困難になってきています。

 

120105Van-de-5.jpg

 

見事に修理完了です。テスト中もかなりの高電圧が発生しており,70cm程度の距離で体に「ビクッッッ」という刺激が飛んできたため,ある程度の好成績を予想してました。写真のように(冬場の乾燥してた状態とは言え)7cm程度までほぼ連続放電してくれました。これだけ出せれば文句なし! ですよね。

2012.01.05