物理数学で遊びましょう    

2013.09.25

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 崩壊 の物理数学  微分方程式とラプラス変換  

 

 先日,研究会の足さんが放射性崩壊の微分方程式をまとめたという報告がありました。 その報告へのやり取りの中で,ラプラス変換にチャレンジしてみないかという話になり,すごく懐かしいことでもあるし,物理数学としてかなり興味深いことだと思われるので少し思い出しながらまとめてみました。             

 

 ラプラス変換は学んでいない人は多くはないかもしれませんが,微積分方程式 を 単なる 代数方程式 に変換してしまうという面白い数学です。詳しい証明や,なぜ代数方程式で微分方程式が溶けてしまうのか,いろいろ難しいこともありますがとりあえず

「あれっ!!」と思えるようにしてみます。

まず概要は,

 

 laplace-1.JPG

                                                                     

 

 

 また,微分方程式や積分方程式を扱う上で非常に特徴的なことは,任意の関数に対して,

 

laplace-2.JPG

 

※ 部分積分で簡単に証明できますね。  

 

 では,足さんから届いたレポートの一部でどのように解が求まるか試してみましょう。

 

 ある放射性崩壊における親元素の原子数 N の時間変化を考えます。単位時間当たりに崩壊する原子の数はそのとき存在する原子の数に比例するので

 

 laplace-3.JPG

 

 

  この式は,基本的な線形一階の微分方程式ですから,簡単に解くことができますが,崩壊系列の各段階の原子数を扱うときには,ちょっと厄介です。

laplace-4.JPG

 

となり,下の式を解くのは結構難しいですよね。

 

 では,早速チャレンジしてみましょう。

  

 laplace-5.JPG

   

 

 

  

   いかがでしょうか。ラプラス変換とその逆変換の一覧表さ えあれば,結構簡単に解けてしまいますね。

 

 

  では,娘原子と孫原子についてもチャレンジ・・・・

 

 

 

 laplace-6.JPG 

 

 

 

 

 以上ですが,微分方程式を普通に解くのと比べて難しいでしょうか。

 

 「応用数学」として割り切れる人にとってはかなり便利な数学ツールとなるはずですね。ただ,これを高校の授業に持ち込むのは無理な話でしょうね。

 

 微分方程式だと,レベルの高い高校では結構聞いてくれますし,理解してしまう生徒も少なからずいるようです。

できれば,そういう生徒を多く育てるようにしたいものですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

     

参照  ウィキペディア

  http://ja.wikipedia.org/wiki/ラプラス変換

 

 

 

 

 

 

 

 

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