簡単実験例を紹介します。

                                              

                     生徒全員がきちんと体験できる物を集めますが、単に「体験重視」するだけではなく

                     それなりの『定量実験』としても 耐えられるようにしていきます。

 

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新・ コイルに流れる交流

実験プリントはここから

      

 コイルは細い銅線を何回も巻いたものなので、電流が流れることはだれでも理解できるはずですが、電圧との関係はなかなか難解です。その関係を見るにはコンデンサーの時と同様、抵抗を直列に接続し、電圧を比較してみることで理解できると思います。

まず、

    左のように回路を組み立て,電源電圧(V ),コイルの両端の電圧 (VL)と抵抗の両端の電圧(VR)を測ります。

 そして、これらの電圧の間に成り立つ関係をベクトル図として作図することで調べていきます。

 

 

 

 コイルは導線の抵抗が少なからず存在するため、コンデンサーの実験のように簡単にはいきません。左図の移送ずれβがπ/2よりかなり小さくなってしまうので、きちんとしないと

 「電圧と電流の位相のずれは〇〇°だ」

などと思い込まれてしまうこともありそうです。

 これを少しでも避けようとするのであれば、巻き数ができるだけ小さいコイルを選ぶことになるのですが、そうするとインダクタンスが小さくなってしまい、商用電源の50Hzや60Hzでの実験は難しくなってしまいます。

 ではということで、ラインフィルターを利用し、かつ交流電源としては周波数を一けた上げてやります。

 

 

 

 そのためには、 パソコンを利用するのが良いと思います。古いところでは、左の写真のフリーソフト 「発音(はつね)」が良いでしょうがかなり古いソフトです。ほかにもこのようなフリーソフトがいくつかあるので使いやすいものを選んでください。

 これをPC用の外付けスピーカー(アンプ内蔵のもの)のスピーカーを外して出力電流を大きくしてやります。ステレオタイプだと、一方から音を出しておくと周波数の変化を耳で確認できてよいでしょう。

 

  ※ 実験の様子はブログを見てください。

[データ処理]  

1) V       V   VL       V

   VR       V

2)  V と電流IVRと同位相)の位相のずれ α=       

   

3)  抵抗RVRから電流I を求め、コイルのリアクタンスX を求めよ。      

 

                                  Ω

 

 直流では,コイルのコアが変化しても全く流れる電流に変化はありません。当然ですが・・・・

 

 コイルはこれもよいですよ。

 

   ごめんなさい。まだよいものが探せていません。

 

コイル

 ・ 電磁力実験用のコイル(この場合インダクタンスが数mHしかないため、交流の周波数を数百から1kHz程度、抵抗を10Ω程度、電圧を数V程度が良い)

12V程度の変圧器(トランス)の二次側、抵抗は100Ω、電圧を10V

が実験しやすい。 

  

実験データ例

 ・電磁力実験用のコイル f=500 Hz

   R=10.0Ω ,V=0.596V  , VL=0.373V  , VR=0.417V 

α=33.0° ,β=82.0°

   インダクタンスX =2.82mH   (RLCメーターでの測定値は2.85mH)

                           ※ AND AD-5826 

  12V用変圧器 f=60 Hz

    R=99.5Ω ,V=9.89V  , VL=5.18V  , VR=5.52V  

α=21.9° ,β=36.5°  

      このコイルではRLCメーターの測定値とかなり異なる結果が出る。

 

  ・ノイズフィルター f=500 Hz

    R=10.0Ω ,V=0.602V  , VL=0.523V  , VR=0.246V  

α=60.5° ,β=84.0°

   インダクタンスX =6.73mH   (6.40mH)