簡単実験例を紹介します。

                                              

                     生徒全員がきちんと体験できる物を集めますが、単に「体験重視」するだけではなく

                     それなりの『定量実験』としても 耐えられるようにしていきます。

 

→Home    →簡単実験のメニューへ 

 

 抵抗率の温度変化の測定

                                                                                               2013.05.28 

20170217

       

      20130530Lump-1.jpg

 

 ずっと以前からこの実験はそのつど白熱電球を割り,フィラメントをむき出しにして行っていましたが,ガラスを割る際にフィラメント部分まで破損してしまうことがあり,少なからず無駄が出ていました。

  今回も同じことをしようとしたのですが,偶然昔使っていた自動車のヘッドライトの電球がみつかり,ちょっと一工夫してみることにしました。思いつきながらこの実験をしてみたところ,黒板実験用に工作することができそうです。

 結果 

  ・室温での抵抗値    R0 = 0.8 Ω    

  ・ガスライターで加熱  R   =  6 Ω  程度    

※ 0℃にすることはできそうに無いので,R0は室温としています。     

  

20130530Lump-2.jpg

 

 

  実験のやり方

1.写真のように,まずテスターで室温での抵抗値を測定する。

2. ガスライターでフィラメントを加熱し,抵抗値の変化を観察させる。クラスの中ほどまでは,テスターの表示が見えるようです。 

3. 教科書に出ている数値と比較し,ガスライターの炎の温度(おおよその値)を知る。 

  tangsten.JPG

上の測定値と比較すると,ライターの温度は1200℃近くになっていることがわかる。(0℃のときに約8倍)

※ 実は,上の測定値にはへんなことが起こっているのですが,・・・

 12V55Wということは,点灯時の抵抗は2.6Ωです。これだと点灯時の温度がガスライターの炎の温度(抵抗値が6Ω)より低いと言うことに・・・

 

 

 この電球の消費電力は 55 Wであるため,12Vで点灯させることにより,点灯時のフィラメント温度を求めることも可能です。12V5Aクラスの電源を用意し,点灯時の電流を測定します。

 R=V/I

より抵抗値を求めることで温度が求まります。

 

 

※ タングステンの抵抗率は出典によって違うということがあります。どれが正しいのか・・・  20℃ で

 

Wiki     ρ=5.29×10`-8 Ωm    α=0.0045

とある電気関係企業

     ρ=4.9×10`-8 Ωm    α=0.0045

あるサイト

      ρ=5.5×10`-8 Ωm    α=0.0053

 

まだほかにもあるのですが,どれが正しい????

 

 

 

 

20130528Lump-1.jpg

 

   

 この電球は10年ほど前に乗っていた車に使ったものです。当時から,ヘッドライトを明るくしたいという要求が広まり,「色温度」が4000Kを超えるものが発売され始めていました。

 しかし,多くのものはフィラメントの温度を上げるとともに,電球のガラスを着色(青みをつける)し,見かけの色温度上昇を図っていたようです。

 フィラメント温度を上げると確かに輝度はあがるのですが,当然寿命が短くなります。この電球の後で購入したものは,1年使用することができませんでした。

 


 20130528Lump-2.jpg

 ハイビームのフィラメントは切れてしまい,ロービームだけです。

※ 白熱電球の歴史を調べると「エジソン」に関する面白い話が沢山出てきますね。

  また,あの硬いタングステンをどのようにしてこんなに細いコイルにすることができたのでしょうね。

  ちなみに,タングステンは希少金属で,結構高価なようです。家庭用の白熱電球がなぜ,ひとつ百円の程度でできてしまうのでしょうね。

  参考資料

  1. 

  2.