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下の下の装置(旧作)はLEDが一つだけなので,実像の大きさがわかりにくいという声がありました。まさか
「ロウソ ク」の 形の「光源」にするわけにもいかないため,LEDを二つにし,
かつ色をちがうもの(紫と白)にしてみました。
ここで,二つのLEDの間隔が「光源の大きさ」,床(スクリーン)に写るLED の 像の間隔が「実像の大き
さ」として見ればよいわけです。
ファラデーラボで「公開」したところそれなりの高評価がもらえました。
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できる像は「倒立実像」なので,紫と白の並び方が光源と逆になります。また,実像の間隔は左図 の
ようにaとbの大小でできまることもわかります。
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ーーー 旧 作 ーーー
最近は光学の基礎実験をほとんど経験したことがないという先生方が多いようです。原因の一つが「光
学 台」等の実験器具がすでに無くなっていることでしょう。そこで,物理サークルなどでこの装置を紹介した
ところ(2019) 非常に好評であったので,貸し出しセットを作りました。
左の写真のように電池ホルダーにLEDを取り付けただけのもので,あとはルー ペとメジャーを用意するだ
けです。
この装置については
「こ
こ」
を 見てください。 |
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実験方法等については
「こ
こ」
を見てください。 |
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基本の実験としては左の図のようにテーブルの横端にこの実験器具を置き,床との中間に凸レ ンズ
を入れ実像を探すだけです。
この段階では生徒に細かい説明をしない方がよく,
「どんなことがわかるかな??」
といろいろ試してもらうのがよいと思います。
※ レンズの公式で a と b
とが数学的に「対称」になっていることに気が付いてほしい!! |
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今年(2021)になってある若手の先生が実際に生徒実験に取り入れてくれました。非常 に簡単にそれ なり
の成果を出せただけでなく,さらに今まで意識していなかっ
た「疑問」点の発見もあり,すごく喜んでもらえました
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意外とこの「倍率」のことは知られていないようですし,疑問に思う人も少ないようですね。
実際の実験の様子は近日中にアップします
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以下は 旧タイプです。 |
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レンズがない物理準備室ということがありそうな昨今ですが、100均円ショップに行くと 老眼鏡が 各種
100円で購入できます。それもレンズが2枚ですから、1クラス10班としても500円で材料がそろい ます。
まずはレンズの公式の確認から。
レンズをスタンドで固定し、天井の蛍光灯の実像を床やテーブルに映し出します。a と b
を測定し、レンズの焦点距離との関係を確認させます。
このとき、a を小さくすると感覚的にbも小さくなるというように誤解している生徒がたくさんい るよ
うなのでしっかり確認させる必要がありそうですね。
老眼鏡には必ず 『 +2.50 』 というような数値が書かれています。これは 『 ディオプタ 』
といい、焦点距離の逆数で表しています。+2.50だと焦点距離は40cmということになりま
す。(私は作業するときこんな強い老眼鏡を使っています)
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超音波メジャーがあると天井までの距離も簡単に測れてしまいますね。なければ、普通のメジャー で
測ってください。
実測値の例
a+b
:
床から天井まで(蛍光ランプの天井からのはみ出し分
を差し引いています)
b : 床からレンズ中心まで
f : レンズの焦点距離
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a + b = 2934
mm a + b =
1934 mm
b = 447
mm b
= 510 mm
f=
379 mm
f =376 mm
400 mm (公称値)
400 mm (公 称値)
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こ こでひとつ問題があります。測定値379mm と公称値 400 mmとの21 (=400-379)
mmのずれがなぜこんなに大きいかということです。
原因のひとつは、めがねレンズが凹凸レンズであるという点にありそうです。というのは、レンズ 中心
はどこに取るのでしょうか????
もうひとつの原因は「もともと焦点距離0.40m」というのがあやしい。?
さらに,メジャーの精度がありました。cmしか測定できません。(有効数字3桁でした)
ということは,20mm程度は許容誤差ということですね。
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ちなみに、太陽を使って焦点距離を求めると380 mm
でした。どうやるかって??
それは、自分で考えてよ!!
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昔は、光学台を使って実験していましたが、もう古くて使えない(使いたくない)とか、そ んな
ものがないという学校も多いことと思います。私のところにもたくさんあるのですが、きちんと整理さ
れているとは思えないので使いたくありません。また、光学台がしっかりしていても意外とレンズ やス
クリーンが整備されていないことも多いことでしょう。
で、とにかく簡単にやってしまうということで、100均で買ってきた『2.5倍のムシメガネ』直
径6センチ(7センチだったかな)で実像の観察をやってしまいましょう。
電球の表面に何かも字でも書いておきます。レンズ、スクリーンを一直線に並べ、(左の写真参 照)
スクリーンに実像がきれいに写るところを探します。この段階でもレンズの公式を確認してください。
左の写真のように逆さまの実像がきれいにできたところで、生徒をスクリーンの真後ろに立たせま
す。この際、きちんと両目でしっかり
にらみつけさせることが大事です。そして、にらみつけさせたま
まの状態でスクリーンを取り除きます。
すると右の写真のようにスクリーンのあった位置にきちんと実像が
あるのが『見えます』。両目できちんとにらみつけていた場合、この像はまさにその位置に実在するか
のように立体的に見え、生徒たちが感激することまちがいなし。!
また,この2枚の写真を撮るとき,カメラのピンと合わせが変化しないことも確認できます。
(AFモードで撮影してもカメラは全く動かずシャッターを切ります)像の後方のピンボケ具合が全く同じ
になっていることでも判ると思います。
ところで、『実像が立体的に見える』ためのレンズの直径の最小値がいくらかという報告をされ てい
たのは、石原先生だったでしょうか???
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スタンド一台で簡単に生徒実験ができるようにしました。光源は最近たくさんの種類が販売さ
れている
LED懐中電灯です。ランプが複数組み込まれているものの方が実像がきれいに見えて生徒も喜びます。
レンズは,虫眼鏡です。
虫眼鏡を ランプの位置から少しずつ下げて,一つ目の実像を探します。その段階で,
a,b と
実像の大きさを測定します。
つぎに,さらにレンズを下げて二つ目の実像を探します。上と同様に
a',b' と
実像の大きさを測定します。
ここで,
a=b’, b=a’
となっていることがわかります。
また,ランプの大きさと実像の大きさから倍率を求めると
b/a
になりますね。
それぞれの学校のレベルや時間配分に合わせてバリ
エーションが増やせるはずです。
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実像の立体観察用に最適ですね。左のレンズはかなりよくできたレ ンズのようで す。 た
だ,倍率が3倍というのはいただけませんが・・・
焦点距離の短い凸レンズと組み合わせると結構まともな望遠鏡になります。今までだと,これ だけの径
のレンズだと収差がかなりひどく出たのですが,生徒レベルの実験ではほとんど収差は見えてこないです ね。
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最近の百円ショップの製品はこれでも100円かと驚くようなものが増えていま
す。先日も,友人が10cm径の虫眼鏡を買っているのを見て私も買ってみました。ファラデーラボでも,レンズの
「実 像」が話題になったのですが,「実像」を体感している若い人はかなり少ないようでした。10cmあ
れば,十分「実像」を見ることができるはずだと思い,早速購入してみました。
実像の確認は 後日に>
2012.12.28
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