簡単実験例を紹介します。

                                              

       生徒全員がきちんと体験できる物を集めますが、単に「体験重視」するだけではなく

       それなりの『定量実験』としても 耐えられるようにしていきます。

 

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交流と直流  =簡易 高圧実験電源=

 

少しマニアックな実験ですが,興味ある生徒の「頭の体操」としてやって見せてください。

2010.12.02 (2012.12.28改題 )

101201Bi-Volt-1.jpg

      

 

  最近は電気の実験というと怖がる生徒が多くなっているようですし,先生の中にも避けて通る人が多いようですね。

  やはり,工学部の電気系などに進む生徒に対してはそんなことでは絶対だめですよね。少なくとも私たちの世代だと,

 「感電経験も無くよく電気を勉強しようなどと・・・」

という言葉が普通に出るくらいです。

 とにかく,電気に慣れるための実験も必要になります。

 ということはさて置き,
      スライダックの実験装置も作り上げていたので,

  これを利用すれば直流の300ボルトくらいまでは簡単に出せます。写真のとおり,例によって間に合わせの材料で,とりあえず実験してしまうというやり方です。

 直流の場合,電圧を下げるのには抵抗で電圧を降下させれば良いのですが,電圧を上げるのは簡単ではありません。(エレクトロニクスの技術を使えは比較的簡単ですが・・・)

 

 

mg1.gif


ABの端子に直流電源を接続しても出力端子には電圧が出ません。豆電球などを接続しても,また,極端な例として 出力端子(+と−)をショート させても何も起こりません。

  しかし,交流電源に接続すると,入力電圧のほぼ倍の電圧が発生します。

この装置は,古い世代の人なら誰でもご存知の

  「ダイオードとコンデンサーを増やしていくとさらに高い電圧も簡単に出せる優れもので,その昔「コッククロフトーウォルトン」が加速器の電源として発明したものだそうです。

  ABからスライダックで 0〜130ボルトを入力すれば   0〜300ボルト程度まで出せます。

 

※ B端子が出力がそのままであるため,感電には注意してください。そのためにもテーブルのコンセントのどちらがコールド側かを確認しておき、そちらにBを接続してください。

101201Bi-Volt-2.jpg

 

 

試験問題では,コンデンサーを充電しておき,他のコンデンサーに移し変えするという問題がよくあります。実際にそういうことをやったことの無い人は無神経に電圧を100ボトル程度とか,中には100ボルト超ということを設定していますが,そんなことをするスイッチに火花が飛び危険であることも知っておいて欲しいですね。

 

 ちなみに,コンデンサーに蓄えるエネルギーの演示実験に使いました。

カメラのストロボでは200マイクロファラド程度のコンデンサーに300ボルトほどの電圧で充電されています。

発光のエネルギーがどの程度なのかを認識するのによいと思います。

AEDも似たようなもので,確か数百ジュールだったと思いますが,,,

  150Jだそうです。

 

 

参考

 実際には初期の熱量として、1,700Vの電圧で20Aの電流が0.02秒というわずかな時間に流れるといわれています。

 計算すると、680Jになりますが、体のインピーダンス(抵抗)により減衰して、ちょうどの熱量がかかるようです。