簡単実験例を紹介します。

                                              

  生徒全員がきちんと体験できる物を集めますが、単に「体験重視」するだけではなく

 それなりの『定量実験』としても 耐えられるようにしていきます。

 

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ボルダ振子で単 振 動 

   


20121227Bolda.jpg

 大学一年のときにかなりてこずった記憶があります。今まで勤務した学校にはすべてこの器具があったのですが,一度も使ったことがありませんでした(というより,使える状態では無かったです)。

 

 現任校でも装置は埃をかぶっていましたが,一式そろっているので実験室の壁面にセットしてやることにしました。




 やっと取り付けました。       2013.10.31

 写真ではわかりにくいと思いますが,物理教室の南側中央の柱最上部に取り付けています。細かい調整がしにくいのですが,糸の長さをできるだけ長くしたいためです。

 

 写真の振り子で,糸の長さは1.565 m です。下につるされている球は鉄製で,直径は40mmです。

 

 

  支点は写真のようにナイフエッジになっています。水平がきちんと調整できるようになっているのですが,ナイフエッジの位置が固定できないのが難点です。

 

 昔はコンクリートに穴をあけるのは大変でしたが,今は100円ショップにもコンクリート用ドリルの錐が売られているので,簡単にできるようになりました。ただ,位置決めをきちんとしてもあけ始めるとセンターがずれてしまいやすいので注意が必要です。

 

 写真のように支持器具に細かい微調整ねじがあるので,あまり気にせず取り付けてしまえばよいと思います。

 

 

 

  ※ 重力加速度の精度が9.80と三桁しかないのですが,

  標準重力加速度9.806 65を使う意味はありません。

   

>  逆に,この実験が精度4桁以上あるということであれば

> 「重力加速度」の値を精度4桁で測定できるということ

> になります。  

>        おもしろそうなサイトを見つけました

 

 糸の長さは,写真のナイフエッジの支点から鉄球の上面と下面までの距離の相加平均としました。鉄球の真球度はあまり良くないようで, 最小39.58mm ,最大39.65 mmでした

 

 

                   2.511 s 

  このくらいの精度があればよいでしょうか。

2013.11.06

                 

 20121227harmonic.jpg

写真では,何をどうしているのかわかりませんが,

下の重りが振幅10センチほどで揺れています。  

単振り子の周期

 高校の物理だけではなく,大学の基礎物理実験においても短振り子は必ず実験するものの代表格かと思います。兎角実験抜きに済ます学校では,単振り子の理屈だけを説明し,問題が解ければ良いという指導をされるようです。しかし,周期が振り子の長さに比例しない(すると思い込む生徒は少なくないですね)ことくらいは簡単に見せられるので,ぜひこの「黒板実験」をしてやって欲しいと思います。

 糸の長さはあらかじめ測ったものを数種類用意し,10周期を比べてやれば「あら,本当だ・・・」という実感を持たすことができます。

 

 10周期の測定結果は,

 18.41 ,18.49 ,18.59 ,18.49 ,18.45 ,18.45

 

平均 18.48 s でした。

 糸の長さは,0.844 mでしたので,周期の計算値は

    20121228Time.JPG

 となり,T =1.84 s

ですから,かなり良い結果が 何の工夫もなくほんの数分でできてしまうことになりました。生徒10人くらいにストップウォッチを持たせれば,さらに短時間で行うことができますね。

 

  糸の長さが半分の0.422 mの振り子を同時に振らせて見せるともっと実感が出てきますね。

 おもりの質量を換えても何も変化が無いことも,簡単に示せます。

 糸を教室の天井からつるせる工夫を考えています。

 

 

ばね振り子


 ばね振り子も 上の単振り子同様,同じ器具を使い簡単にできてしまいます。どこの学校でも何種類ものばねがあると思いますが,教室の後ろからでも見えるような「大きな」ばねが良いのですが,無ければゴムひもがよいと思います。本数でばね定数を変えることになります。


 フックの法則も忘れてしまっている生徒も多いことでしょうから,同じものを2セット並べておくと振動中心がどこになるかもわかり,