簡単実験例を紹介します。

                                              

                     生徒全員がきちんと体験できる物を集めますが、単に「体験重視」するだけではなく

                     それなりの『定量実験』としても 耐えられるようにしていきます。

 

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     小学生向け なぞなぞ 電気回路実験   

2014.06.27

2014.08.19更新

 

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 小学校でも,乾電池で豆電球を光らせたり,モーターを回したりするようですし,中学になってもそういった実験があるようですが,高校生になるとすっかり忘れ去っているという感じを受けます。

 また,「青少年のための科学の祭典」は長いこと事務方に徹してきていたため,久しぶりに自分のブースを出したくなってきて一頑張りすることにしました。

 

「電気はおもしろい」と感じて欲しいですよね。

 

 写真の実験板はとりあえずの試作機でしたが,改良している暇がないため量産に入りました。現在6台完成しています。

 約30センチ角の木製ですが,白い部分は部品を固定したいため,ブリキ板にしています。各部品はマグネットラバーを張り付けています。  板に取り付けている9個の陸式端子はすべて無接続で,単なる接続のための中継端子です。電池,豆電球やLEDなどの部品にはすべてリード線を取り付け,その端子は「バナナ端子」か「矢型端子」を取り付けたかったのですが,コストがかなり高くつくため,自動車の配線用の「クワ型端子」を使用しました。

2013.05.28

 

electric-currentt.jpg

 

 この実験板は一応私のオリジナルのつもりですが,その昔,とある教材会社から左の(カタログ)写真のようなもの(電気の通り道という装置です)が発売されていました。私なら,授業でこんなものは絶対使いませんし,私の母校でもこんなものは使っていなかったと思います。

 

 しかし,電気分野があまり得意でない教員にとっては便利なものであったかもしれません。端子が4×4の16個もついており,導線は金属板のようです。教師用は,スタンド方になっており,結構大きいもののようですし,生徒用の少し小型?のものもありますね。

 

 

 

 

 

 

 

2013.05.28

20140811-3.jpg

 

1 基本は乾電池で豆電球を光らせるだけです。中学生にやらせて
 み
たところ,板上に端子が9個もあるため,考えもせず適当に取り付 けた結果,コードの長さが足りずに困る子もいました。そういう子は, 届かない部分にさらにコードを追加しようとします。電球や電池の場 所を変えようという意識がはたらかないようです。


 

 

  あと,電球をもうひとつ与えてやり,2つの電球を同時に点灯させます。これには2通りの接続方法があることは4年生くらいで理解できるようです。「並列」と「直列」の言葉も知っているようです。

 

 

 

 

   写真は2つの電球の並列接続です。

20140811-4.jpg

 

2 電球を2個同時に点灯させるとともに,ひとつのスイッチで切り替
 え点灯するものを作ってもらうという「クイズ」にします。

 

 スイッチはさまざまなものがあり,初心者には理解できないものも
 あ
ります。ここでは,1回路2接点の「切り替えスイッチ」を使います。

 

 

 

  この切り替えスイッチの説明を小学生にするのが難しく,興味を持ってくれる4年生くらいでは「回路図」も理解してくれるようです。

 

 

img1.gif

 

 20140811-5.jpg

 

3 今度は,電球が2個装着できる電球ソケット2種類に交換し,4個

 とも同じ電球であるにもかかわらず,明るさが異なる理由を考える

 「クイズ」です。

  「並列」と「直列」が分かるこどもはすぐそれに気がつきます。電

 球のねじを1個ずつ緩めさせるとさらに混乱するようです。

 

  では,左右どちらが「並列」でしょうか。

 

  右上の電球が点灯していないように見えますが,右下と同じ明るさ

 で点灯しています。

 

  また,ここまではすべての電球が「1.5ボルト0.3アンペア」です。

20140811-6.jpg 

 

4 左右とも下の電球を「2.5ボルト0.3アンペア」のものに取り替えて

 上と同じ実験をします。4個とも明るさが違ってしまいます。上で答 

 が分かった子供でもここは簡単には分かりません。

 

  この「クイズ」は小学生には難しすぎ,説明も困難になりますが,中

 学の上級生レベルだと理解できるようです。高校生で物理を学んでい

 る生徒にはぜひ理解してもらいたいところですが,・・・・

 

20140811-8.jpg 

 

 今度は,「実用回路」のクイズです。階段照明は1階のスイッチでも

 2階のスイッチでも点けたり消したりができます。1つの電球と2つ

 のスイッチを与えてトライしてもらいます。ここまでである程度要領

 が分かってきたこどもは,各部品の配置を考えるようになり,すぐに結

 論が出せてしまいます。 しかし,闇雲にやってきたこどもは部品配

 置も考えず,気の向くままに回路を組み立てていくため,スイッチの動

 きによってはで,「電池をショート」させてしまうようなことを平気

 でしてしまいます。

  電池ホルダーに付けているパイロット用のLEDが消えてしまう事

 に気がつかない子供も多いようです。

20140810-1.jpg

 

6 今度はかなり難解なクイズになります。モーターを回すとき,電池

 のプラスとマイナスを逆にすると回転方向も逆になります。このこと

 は小学生の低学年でも理解できることが結構多いのですが,スイッチ

 の切り替えでモーターの回転方向を変えられるようにするにはどうす

 ればよいか,となると高校生でもできない場合が多いようです。

 

  まず,上の実験で使った1回路2接点の「切り替えスイッチ」で  

 チャレンジしてもらいます。スイッチが2個必要であることをすぐに

 分かるのはやはり高学年のこどもになります。

 

  しかし,これをひとつのスイッチで行うためにはどんなスイッチが

 必要かと聞くと,答えられる子供はまずいません。高校生でもかなり

 「電気」が得意な生徒で無いとわかりません。

 

 ※ 写真の右下のスイッチは「4路スイッチ」という名称でホームセ

  ンターなどで販売されています。その構造を調べるのも良い「クイ

 ズ」になります。              答は一番下に

 

 

 

 

 4路スイッチの構造

 img2.gif

と,簡単に書いてしまいますが,本当は2個の切り替えスイッチが連動するスイッチで,3端子が2つで6個の端子が次のように接続されています。

 

 

 

switch2.JPG

   実際には,スイッチの裏面で各端子を下図のように接続します。   

img3.gif