簡単実験例を紹介します。

                                              

                     生徒全員がきちんと体験できる物を集めますが、単に「体験重視」するだけではなく

                     それなりの『定量実験』としても 耐えられるようにしていきます。

 

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 オームの法則 その2

 2018.09.15

 

 

 

 抵抗や電池の直列接続や並列接続は計算さえできれば良いというような指導がされているようですが,なぜそうなるかとか,なぜそんな計算か方法を学ばなければならないのか,といったことはどうでも良いようですね。

しかし,実際に電気回路の学習が進んでいった時,そういった点をおろそかにしていた「つけ」を払わされることになって「泣き」が入るようです。 もう十年以上前からかと思うのですが,回路図や教科書や黒板に書かれた「図」の「イメージ」がつかめていない生徒が増えてきているように感じていました。そんな生徒たちに「現物」を見せ,実際に実験させてやると「えっ,,,」という反応をします。知識と現実とが結びついていないのですよね。

そんなことを感じながら有り合わせの材料で左の写真のようなものを作ってみました。

4本の抵抗(全て100Ω)を直列に接続して端子をつけただけです。


 

 

 

 抵抗器は100Ωで,精度は1% のものを使っていますが,1%越えです。使用しているデジタルテスターはかなり昔のもので,少し調子が悪くなってきていることが原因かもしれません。

これだけのことであれば,この装置は必要ありませんが,抵抗の直列接続や並列接続をしようとすると,電気の経験の少ない人はすぐに「ワニ口クリップのついたリード線」で接続します。

しかし,多くの人は「ミノムシ」のことを「ワニグチ」と言っていますし,市販のリード線は数年でつか買えなくなります。私の知人 (中学理科の教師 )も実験がうまくできないので不思議に思って調べるとリード線の接続不良でした。


 ではどうするかというと,写真を見てすぐわかりますね。蝶ネジがついているので,そこに・・・





 隣合う二つの端子を専用のリード線で短絡すると,右端二つの抵抗器が並列接続になります。100オームの抵抗器が二つ並列接続されているため,剛性抵抗値は半分の50オームです。



 では,次に「直列接続」をして見ます。先ほどのリード線保外すと二つの抵抗器のちょくれづつ族になります。抵抗値は,100Ωの 2倍ですが,

   0.119 kΩ すなわち199 Ω

となり,2倍であることがわかります。この程度の誤差は高校生だと「有効数字」を学ぶため問題にならないのですが,小学生や中学生では気になるかもしれません。




  3本の直列接続です。100Ωの3倍の300 Ωです。




 抵抗値の測定だけでなく,何かしらの電源に接続し,各抵抗器の電圧降下を図ってやればオームの法則を実験できますね。

 小学生でも使えそうなデジタル電圧計を作ってみました。