簡単実験例を紹介します。

      生徒全員がきちんと体験できる物を集めますが、単に「体験重視」するだけではなく

      それなりの『定量実験』としても 耐えられるようにしていきます。

 

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コイルに流れる交流

 2011.09.08微修正

一般的なコイル(トランス)を使ったものを紹介する予定です。                       2015.12.27 微修正 

     

 IMGP1951.jpg

 

左は ブラウン管の 偏向コイル と 豆電球  

直列に接続されています。

右は, 交流と 直流 同じ電圧を出せる電源装置

 

これらは すべて黒板に貼り付けて実験します。

 

 前,前任校で作っていたものであるが,前任校に変わっても新しく作っては見たもののなかなか日の目を見ることもなくなりつつあり,ここに紹介することにしました。

   兵庫物理の『物理準備室』
       
http://www.hyogo-c.ed.jp/~h17hpc/

 にも紹介があります.(現在閉鎖中です)

 

 テレビを分解した後,ブラウン管の後ろにある偏向コイルからエナメル線を取り出し リユース していたのですが,せっかく『コイル』があるので何か使い道があるはずだと思い,この実験用に工作をしてみたところ,いろいろよい結果が出ることが判明しました。

 この手のフェライトコアを使ったコイルは周波数特性がよく,コイルの巻き数も比較的少ないので内部抵抗が少なく,余計な処理がなくある程度『定量実験』にも耐えられます。

 

 ブラウン管テレビを処分する際は,必ずこのコイルを取り出しましょう。ほかにも消磁用のコイルがあり,かなりのエナメル線が取れますよ。

 

IMGP1954.jpg

 

 実験方法

・コイルのコア(鉄心)の上半分をつけない状態で,交流電源(6V程度)にコイルと豆電球を直列にして接続する。

・磁束が閉じていないためインダクタンスが小さく,直流との違いはほとんどないので,省略してもよい。(コイルの内部抵抗が少ないため差は肉眼ではほとんどわかりません)

・交流電圧をかけ豆電球が光ることを確認する。(コイルは『電線』であるため,生徒は豆電球が光ることにまったく疑問を持たない) 

 ・ 残り半分のコアをつけます。これは高校物理では少し理解しにくいですが,コアが閉じることでコイルのリアクタンスが大きくなるためインピーダンスが大きくなり豆電球は突然暗くなってしまいます。写真では,ほとんど消えてしまっています。

・ この段階で生徒は感激してくれます。電線や器具にはまったく手を触れないのに,豆電球の明るさが変化するのに『疑問』を持ってくれますね。

 

 IMGP1956.jpg

   こちらは交流

 電圧計はヘンナ値「05.3V」を示してていますが,テスターの問題です。(こんなすごい機能満載でも1000円以下です。少しくらいは我慢)

 

IMGP1957.jpg 

                                   こちらは,同じ電圧の直流

 


IMGP1958.jpg

 

 直流では,コイルのコアが変化しても全く流れる電流に変化はありません。当然ですが・・・・